どうやって母豚の生産期間を伸ばすか
(PIG PROGRESS. NET 30 Nov. 2007 by John Gadd)
前回私は母豚の生産期間(SPL)が最近短すぎるという事について話しました。私は最近、母豚の更新率が45から50%にまでなる農場をいくつか見ましたが、これでは素晴らしい遺伝形質をもつ母豚の莫大な浪費です。
政府の行った調査によると、生産期間のまだ早い時期において、繁殖の問題からまだ若いうちに淘汰された母豚は全ての淘汰数のおよそ26〜34%に上るといいます。これらは7産を目標とするところ、わずか三産以下で淘汰された母豚を指します。
なぜこのようなことになるか?
更新母豚の不適切な管理に大きな原因があります。自分自身になぜか問いかけなければなりません。このことが助けになるかもしれませんが−私はこの複雑な問題を次の三つの過程に分けて提案します。
更新母豚やまだ若い母豚に関して;過去についてのアドバイス(これまでに、そして一般的にやられていることの実践):現在についてのアドバイス(少しずつ取り入れていくべき現在のアドバイスの提供):これからのアドバイス(将来に向けての計画)。
過去についてのアドバイス
過去のアドバイス−更新母豚をあまりにも早い日齢(220〜240日齢)と軽い体重(130〜140kg)で繁殖に使わず、3回目の発情でP2部位での背脂肪厚は18〜20mmとすることを実践しています。この最初の妊娠を0産次(P0)とし、更新母豚のプールには十分に物理的に成熟する時間が与えられるようにし、適切に取り扱われた更新母豚を早めに使うことがないようにしましょう。これで今のところうまく行っています。
現在についてのアドバイス
現在についてのアドバイスはやや受け入れられやすいでしょう。これはさらに突っ込んで、妊娠中の更新母豚には特別なギルトデベロッパーダイエットを、そして通常の授乳期用飼料とは違う特別なラクテイションダイエットを給与します。次に最初の分娩を終えて二回目の妊娠期間に入った母豚(P1)には再びギルトデベロッパーダイエットを与え、通常の母豚用乾物飼料は使わないようにします。最初から母豚には豚のことをよく知る農場の衛生管理を任せられる獣医師により注意深く選定されたワクチンなどの予防的な薬治を行います。
これからのアドバイス
これからのアドバイスはまだ研究中ですが、とても面白い内容だと思います。これはパリティーセグリゲイション(産次分け)と呼ばれ、P0からP2までの、十分に免疫力を獲得していないために病原体の感染源となる可能性を持つ若い母豚を分けるということから始まります。これらのハイリスクな若い母豚を農場の主体となるP3以上の母豚から分けて管理し、二産目の子豚を離乳するまで別にしておきます。これで農場の主体をなすより高齢な母豚での病気が少なくなり、衛生費が大きく減少します。
生産期間
このパリティーセグリゲイションという概念(これは離乳した子豚にも当てはまり、若い母豚から産まれた子豚も同様に感染源としてハイリスクなので別棟で育成します。)はより高齢の母豚の生産期間を大きく改善し、この方式を取り入れた農場では7産以上の母豚でも素晴らしい成績を出すようになります。もちろん若い母豚群と高齢の母豚を分けて管理するために経済面と管理の手間が余分にかかりますが、生産期間が延長して更新母豚にかかる費用が少なくなる部分と疾病の減少分で置き換えることができます。
改善
何ヶ月かたって、改善される様子を見るのは面白いことです。特に経済面と産次分けした若い母豚の離乳子豚が変わります。 次回の私のブログでは生産期間を短くするもう一つの大きな原因である、肢の問題について説明しましょう。
(PIG PROGRESS. NET 30 Nov. 2007 by John Gadd)