死産子数をコントロールする

ハイポーは分娩管理と観察のコツを含めた全体の問題の解決を提供する。

(Hypor A Hendrix Genetics Companyのホームページ、505→controlling stillbirth losses)

 一般的に総産子数は増加傾向にありますが、、死産子のパーセンテージも増加する傾向があります。農場の個別の記録データよると1腹当りの死産子が平均1頭、もしくはそれ以上であるというのが最近は一般的です。これはつまり、遺伝プログラムと良好な管理の実践で死産の割合を減らし、離乳成績を改善する余地があるということでもあります。

 ハイポージェネティックプログラムでは総産子数に加えて生存産子数も選別基準に加えることにより、死産子数を妥当なレベルに抑えることに大きく貢献しています。産子数だけを追い求めると、生時体重の減少や体重のバラツキが発生する恐れがあります。産子数と子豚の質には負の相関性があるようです。繁殖と選別プログラムを一つの形質だけで行うと、それに相反する望ましくない形質があらわになるでしょう。

 生時体重は子豚の質と生存率に大きな役割を果たすと私たちは考えています。平均生時体重と一腹の総体重は比較的遺伝しやすく、それぞれ0.250.15である。体重800g以下の小さな子豚とバラツキのある腹というのも遺伝しやすく、つまり遺伝的に改良の余地があるということです。小さな子豚の数と生時体重のバラツキというような形質には遺伝性があり、それぞれ0.100.07です。

良好な管理がきわめて重要

 分娩前と分娩中の適切な管理も大きな影響を与えます。1腹当りの死産子数を0.3頭減らすのはほとんどの農場で比較的簡単に達成でき、母豚の生涯生産で子豚が約1.4頭多くなり、母豚の離乳成績が10kg近く増える事になるでしょう。
 死産子とは分娩の過程において臍帯を通した胎盤からの血流が子宮の構造に制限、もしくは断絶されて無酸素症になり、分娩中に死亡したものと定義します。死産率に影響する因子はたくさんあり、ほとんどが母豚と分娩過程に関連します。産歴が最大の要因となり、二産目から徐々に増加して、6産もしくはそれ以上で最も高くなります。産子数の多い母豚で死産子が増える傾向があり、その前の分娩よりも1頭かそれ以上死産子が増え、その後の分娩でもリスクは増加します。

 死産率は分娩にかかる時間に密接な関係があり、ほとんどの母豚が2-3時間で分娩するのに対して2-5時間の範囲で起こります。分娩時間が長くなると臍帯の血流は時間がたつにつれて阻害されるので死産子数が増加します。その他の主要な因子には分娩ステージが関連し、ほぼ全ての死産子は最後から3頭の分娩で起こり、この最後の3頭の子豚の70%に達します。分娩管理の時に最も効果的に時間を使うためには、死産子が最もでそうな母豚(産次や過去の産歴を元に判断する)を特定し、分娩カードに記載します。こうする事でリスクが最も高い母豚により大きな注意を払うことができ、結果として効果的な管理へとつながります

分娩観察

 分娩の観察が死産率の改善の基本であり、また多くのケースで分娩誘発を実施する必要が高まるでしょう。分娩誘発の実践の前に、自然分娩するまでの妊娠期間の平均を豚群全体と産次ごとに分けて調べておく事が重要です。なぜなら、これは農場によって違うからです。生時体重を最大にするために、誘発は平均の妊娠期間より早過ぎないようにしなければなりません。

ガイドライン

分娩管理の実践は死産率を最少化させることにつながります。

     分娩が始まったら母豚を静かに観察し、観察するたびにその時間と生存産子数、死産子数を分娩カードに記入しましょう。技術者は分娩行動が理解できるようによく訓練されていなければならず、異常をすばやく見極めて対応できるようにしなければなりません。

     分娩の初期段階においては母豚が難産や不快そうな様子をしめしていない限りはほとんど介護の必要はありません。できるだけ1人で産ませるようにしましょう。

     6-7頭の子豚が産まれた後では、子豚の産まれる間隔が20分以上になるか死産子が生まれた場合に介護するようにしましょう。この時間は必要があれば、経験に基づいて変更してもかまいません。

     母豚の介護をする時には陰部周辺を温かいお湯と刺激の少ない殺菌剤で洗浄し、腕まで覆うプラスチックの手袋に産科の潤滑剤を使用するなど良好な衛生状態で実践しましょう。看護を行う場合には農場の治療方針に則った長期持続型の抗生剤を注射しましょう。

     技術者は黄-茶色の胎便または糞が子豚を覆う胎膜についていないか観察しなければなりません。これらは子宮の中で子豚から酸素が奪われると排出されます。もしこれらが見つかったら、問題が発生してすぐに母豚を看護する必要があるといういい目印になります。

     母豚の看護をする時には、子宮の中の手が届く範囲内の子豚は全て注意深く取り出さなければなりません。子豚を包む胎膜を取り除き、必要があれば呼吸を補助してヒートランプの下に寝かせ、後で初乳の吸引を補助します。

     分娩の進行が遅かったり、母豚の陣痛が止まった場合には子宮頚が詰まっていないことを確認してから、子宮の収縮を促進するためにオキシトシンを控えめに使用します。最大の用量は0.5mlまたは5IUを筋肉内に投与しますが、農場の獣医師の指示があった場合には陰部に2.5IUする場合もあります。オキシトシンは必要があれば20から30分間隔で投与します。しかし、オキシトシンの用量が多すぎると子宮が締まりすぎてしまい、死産子数がより多くなります。

     母豚の看護が終わったら、分娩が完全に終わるまで注意深く観察し、必要があれば再度看護しましょう。

スコットランドの研究者であるDr. Peter Englishの調査によると、これらの方法で死産子数が減少すると生存産子の生存率も増加するそうです。これは活力の低下の第一の原因となる低酸素症が減少するためです。このように死産子率の低い農場では離乳前の死亡率も最も低いという事が農場記録を見ても明らかです。

その他の因子

 分娩過程の管理そのものに加えて、その他の管理や環境因子も死産子数に影響します。

 分娩前の3-4日間における飼料の過給は死産子数の増加につながるので、経産の母豚には12s、未経産豚では1.8sに餌を減らすようアドバイスをすることもあります。母豚が不快に感じるほどの高すぎる分娩室の温度も死産子数の増加につながるため、分娩室の温度は可能であれば21-22℃にします。母豚のストレスや不快になるような状態につながることは死産子数の増加をもたらします。特にとても重要な事は、母豚の分娩中、スタッフは静かに落ち着いて行動する事です。物音や騒々しさはストレスにつながります。

ハイポーの解決策

 ハイポーは繁殖の目標を定義するため、家畜の生物学を深く理解する努力を積み重ねています。このことは自然の法則に則った将来の繁殖豚の作成に、よりバランスの取れたゴールをもたらすでしょう。我々の生物学的な限界の予測には、これらの繁殖目標にかかわる因子も含まれています。

 その他のハイポーの繁殖目標には程よい範囲内で形質を維持するという事があります。これは生理的な範囲から外れた品質を防ぎ、様々な要因があってもスタートをそろえなければならないためです。例えば初回交配の日齢などが一例です。繁殖に使い始める初回の交配日齢が若くなると、育成豚が妊娠や授乳に十分な力を備える前に繁殖サイクルが始まることになり、その後の成績に悪影響があります。そのため、我々の繁殖目標は初回の交配日齢や離乳から交配までの間隔などの形質を「最適化」することです。

 最後の選抜では高い総産子体重と子豚の品質をより高くする点を重視します。平均生時体重が1.5kgの子豚を15頭生産すると一腹の体重が22.5kgに増加します。このことは産子数の選抜で、子豚の質と生時体重でほとんど妥協せずに成し遂げた時だけ達成することができます。

 バランスよく柵出された系統と分娩中の適切な管理によって、ハイポーの母豚と育成豚高い生存産子数の能力を実感する事ができるでしょう。一腹の離乳子豚数を増加させることが母豚の生涯に生産する離乳子豚の重量の増加につながり、死産子数を減らすための管理が母豚の離乳能力の最大化に貢献するでしょう。


(Hypor A Hendrix Genetics Companyのホームページ、505→controlling stillbirth losses)



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