管理のコツ-2

(PIG PROGRESS. net 23 Dec. 2008 by John Gadd)


育成豚のミキシング

豚の群を混ぜるのはできる限り少なくしましょう。豚群の再編をしないで飼育した子豚は(群の再編をした豚と比べて)離乳後の20日間で1日あたり110g成長が早かったとVarleyは報告しています(2001)

 私が行った“大群飼育”に関する調査(2003)によると、豚を4群に分けたものより1群のままで飼育した子豚のほうが1092sまでの成長が13.5%遅く、飼料摂取量が7.2%低下し、飼料効率は7.2%悪くなりました。飼育密度、飼料と水へのアクセスは改善されたか同程度でした。しかし、我々は少なくとも一度は豚を混ぜなければなりません・・・。

大きな間違いはおとなしい豚が攻撃的な豚から逃げられるような十分な広さを確保しない事であり、攻撃的な豚が豚群に対して最小限のダメージで済ませるようにさせることです。

豚が導入される前の飼育面積より、20%広い面積を確保するようにする事。最近は豚の成長に伴い、どこの農場でも過密になっている傾向があります。

飼槽と飲水のスペース。多くの喧嘩はフィーダーの近くで起こるため、群を混ぜてからしばらくは別なフィーダーやホッパーを追加して使用することを勧めます。

最近になって、給餌器がウェットかドライに関わらず、全てのペンに2つの飲水器を設置しておくべきという事が分かりました。ウェットフィーダーは飼料に水分を追加して摂食量を上げるためのもので、適切な給水源ではありません。パイプラインによる給餌システムを使っている場合でも、1つは飲水器が必要です。

群を混ぜる日は、できれば朝から飼槽のスペースを4分の1にします。

豚を混ぜるのは日没の直前にし、決して午後の中ごろには行わないようにしましょう。

豚を移動させた後は十分な飼料を与えます。

混ぜた後はトイレの芳香剤のスプレーをかけます。

敷き料を使う場合には、混ぜる前に新しい敷き料を十分敷いておきましょう。

排便エリアには混ぜた豚の糞を少しおきます。

特に育成期から移動させる若い子豚はあまり均一になり過ぎないように群編成しましょう。3035sぐらいの体重なら、4sくらい体重差があるようにし(Lean, 1985)、2128日齢の離乳時では20頭のグループで11.5sの体重差があるようにしましょう。こうすると群の順位がより早く決まります。

より大きな群で飼育する事が最近では好まれてきており、グループのサイズが50から100頭に達すると離乳後の体重減少が認められなくなるというのがその理由のうちの1つです。

飼育密度はペンの形と関係があるので気をつけましょう。長細い豚房ではおとなしい豚が逃げるのにより広いスペースが必要になります。正方形に近い長方形がベストです。

最初の夜に一緒に休息させるのが重要で、夜明けまでの間に“よそ者の臭い”がこすり落とされたり混ざり合ったりします。十分に休めるスペースを与えましょう。冬は慣れない場所の心地よいスペースに折り重なり、神経質なおとなしい豚が眠れなくなり、後で尾かじりの原因になったりします。

もしあなたが豚のミキシングについて何か他のコツをご存知だったら、ぜひ共有しましょう。母豚のミキシングには別の技術が必要なので、別の機会に紹介しましょう。

(PIG PROGRESS. net 23 Dec. 2008 by John Gadd)


 今回もジョン ガッド先生で、前回の続きです。
 豚房のスペースや形、設備によっても群の再編によるその後の成績が変わるそうです。このコツを見直してみることで、自分の農場の肉豚の移動ストレスの参考にもなりますね。農場の成績を左右するとても重要なポイントだと思います。


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