PCV2-3

(Pig Site Articles Dec. 2008 by Dr. David Burch, Octagon Services Ltd.)



我々は
PCV2
の影響を理解しているのだろうか?Dr.デビット バーチがアジアの養豚生産におけるPCV2の役割について提言する

私はタイのチェンマイで行われたすばらしい豚病検討会に出席し、現在問題になっているPRRSウイルスに対する知識と研究のレベルにとても驚かされました。我々はまたヨーロッパやその他の国々で問題になっているヨーロッパや北米で分離された両方の新しい株の問題も共有しており、それゆえワクチンの効果に対して興味が持たれていることが分かりました。しかしながら、アジアの豚生産の中でまだ広範囲に高死亡率の問題や潜在的な疾病としてのPCV2の役割について見落としてないだろうか。

 英国で、我々は最近になってPCV2のワクチンが入手できるようになるまで、PMWSの問題にもがき苦しんでおり、これは我々が直面した呼吸器複合病を引き起こすPRRSや常在型の肺炎(マイコプラズマ ハイオニューモニアエ)などの様々な他の感染症の影響について大きな混乱を与えた。これは疾病コントロールの実践において失敗の大きな原因にもなった(グラフ1)



グラフ1 2200頭の肥育豚群における典型的な死亡/淘汰と治療豚の発生

 様々な農場で死亡率や、治療やヒネ豚の問題をコントロールするために何ヶ月もかけたストレスを減らす方法や子豚へのPRRSのワクチンが試みられたが、本当に成績が改善された事はなかった。しかし、PRRSウイルスはPMWSの発生率と症状を悪化させるように働き、ワクチンの効果が少ない事が問題だった。

 それに対して、子豚へのM.ハイオイニューモニアエのワクチンには良い効果があった(1を参照)。死亡率と加療に回された子豚(50%はその後死亡するか、発育不良のために淘汰)の数ともに改善し続け、肺の障害スコアは劇的に減少した。

120000頭肥育農場におけるEPワクチンの死亡率と加療、肺の障害スコアへの効果

実行前

実行後

違い

死亡率()

6.95

4.15

2.8

加療率()

10.58

8.66

1.92

トータル()

17.53

12.80

4.73-27%)

肺の障害スコア

11.5

3.7

7.8-68%)

 これによると、と畜場での肺炎による肺の障害スコアを継続的にモニタリングする事がワクチネーションの決定に役立つことが分かったが、これでPMWSの問題が全て解決されたわけではなかった。

 私の同僚が新しいベーリンガの子豚用PCV2のワクチンを試験していた英国の農場を訪問したとき、全ての発育不良症候群がきれいに解決されたことが分かった。英国の試験は1500頭の豚を詳細に観察したもので、良好な管理基準(Good Clinical Practice; GCP)の下で行われ、離乳後の事故率は14.3%から4.6%に減少し、出荷体重が6.8kg増加して標準に対して理想的になった(グラフ2)。

 子豚は4週齢で育成-肥育舎に移動する前、3週齢の時点でワクチン接種した。この試験のユニークなところは、ワクチン接種した子豚と対象の子豚を同じ豚房で飼育し、同じストレスと感染リスクにさらしたということである。対照群におけるPCV2のウイルス血症は約6週齢で始まり、9週齢でピークに達した。ワクチンを接種した子豚のピークはそれより1週間早かったが、より低いレベルで減少し始めた。ワクチンの1回接種により、移行抗体が減少し始めてウイルスが増殖を開始する時に、免疫応答が強くあらわれる(Asian Pork Magazine20078/9月号p.40-42)。

 ウイルス血症が始まってから出荷間際の23週齢までの間、ワクチン接種群と比べて対照群の子豚の死亡率と生き残った子豚の育成率はずっと低い成績だった。 この試験はマイコプラズマ性肺炎とPRRSフリーの農場で行われたため、疾病とワクチンの影響が他の感染症の影響を受けたわけではない。この試験はヨーロッパとアジアの両方において、慢性的な流行期に於けるPCV2の影響の大きさを示すものだった。

 このことはアジアにおけるPCV2感染の影響をきちんと理解しているのかという事と、PRRSの影響を過大に考えていないかという疑問を持たせる。アメリカ人はこの間違いをPCV2の流行の始めにしてしまったが、今彼らの焦点はPCV2のコントロールとワクチネーションへと確実にシフトした。

 PCV2のワクチンはアジアで認可され始めたばかりだが、これが世界の他の地域と同様に大幅な豚の生産性の改善につながることを祈っている。

(Pig Site Articles Dec. 2008 by Dr. David Burch, Octagon Services Ltd.)



 






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