Environmental conditions in the Rudnaya River watershed- a compi;ation of Soviet and post- Soviet era sampling around a lead smelter in the Russian Far East

ルダヤ川流域の環境状況−ロシア極東地域の鉛精錬所周辺における、ソビエト政権下からその後に採取されたサンプルの調査

The Science of The Total Environment
Volume 303, Issues 1-2,
15 February 2003, Pages 171-185

要約

ロシア極東地域におけるルダヤ渓谷には鉛や亜鉛、ホウ素が豊富で100年近くにわたって採掘され続けてきた。鉱山と精錬所に関連するその地域の環境汚染について、ソビエト政権下から30年以上にわたってPacific Geographic Institute (PGI)のメンバーによって調査されてきた。政府の規制により、サンプリングの多くが川、空気、森林、草木、農産物と土に重点が置かれた。精錬所の廃棄物堆積所などの場所や、住民や精錬所の労働者の血中鉛濃度などの特別なサンプルは入手できない、もしくは極秘扱いとされた。しかしながら、データからは環境と公衆衛生に関連する汚染の深刻度と範囲を示すものだった。精錬所からの廃液は平均2900m3/日(100kgの鉛と20kgのヒ素を含む)であり、鉱山の廃棄物からの浸出液やそのほかの産業廃棄物がルダヤ川を汚染していた。年間の工場排煙には85トンの粒子(50トンの鉛と0.5トンのヒ素を含む)が含まれ、250000m3のガスには高濃度の二酸化硫黄(SO2)、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2)が含まれていた。植物の成長への影響は深刻で、この地域の多くの土地が裸地と化していた。農産物の鉛と他の金属は食料としては危険を示すものだったが、この地域社会における主要な食料源だった。公衆の健康の指標となる好塩基性斑点赤血球と呼吸器病、頭髪の鉛濃度ではさらに問題の深刻度を示すものだった。しかしながら、完全な診断法や手順の記述がしばしば欠けており、これらのデータはソビエト時代にサンプリングがどのように行われたかを示すものや、深刻な重金属、特に鉛の汚染場所と公衆衛生上問題がありそうな内容を示す文書だった。これらは新しい政権下で最新のサンプリング技術を採用し、遺物の収集調査に十分な時間をかけて行うことで現在の証拠となった。ソビエト政権以後、ロシアと米国のチームがその地域の土と粉塵を採取し、一般に使われているサンプリングと分析法を使って環境問題の深刻度を確認した。住居の庭の鉛濃度(476-4310 mg/kg, Gx=1626mg/kg)と道路脇の土の鉛濃度(2020-22 900 mg/kg, (Gx=4420mg/kg)USEPAの改善のガイドラインを超えていた。予備的な生物動態の見積もりを用いた血液レベル(平均13-27 μg/dl)は就学前の子供が土や埃の摂取による鉛中毒の重大な危険性を示すものだった。現在、PGIは鉱山の所有者と地域の健康、環境の権威者と協力し、難しい経済状況下で長期的なモニタリングと汚染減少に向けた計画を立てている。





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